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生産者紹介 祥司陶苑

生産者紹介
祥司陶苑

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  • 三重県
  • 市川寿山さん
  • 祥司陶苑
  • 陶芸家
  • かちかち山香炉
  • 1947/02/05
  • みずがめ座
  • ずーっと仲よし
    ずーっと楽し
    ほっとする心の陶を作る

私のこだわり

市川さんの萬古焼ならではの、味わい深い色み

市川さんの四日市萬古焼は、とても味わいある色をしています。
その秘密を伺うと、市川さんはこんな風に話してくれました。

「この色を出すために、トコトン手間と時間をかけているんです。

例えば、かちかち山香炉のタヌキは、3回、窯に入れて焼いてあります。
何回も窯に入れると、膨張、収縮を繰り返して割れる可能性も高くなるから、
一度焼成が普通なんだけど、うちは、納得いくまで繰り返します。

焼き方も、強還元焼成っていう酸素が足りない状態で燃焼が進行する焼き方で焼いています。そして、いぶし焼成すると、煙が作品に閉じ込められて、土の鉄分と炭素が結合し、落ち着いた陶の美が生まれます。いぶし焼きにしても、炭の粉や、もみがらの量やフタの締め具合なんか調整が難しいですね。燃費もかかります。でも、この方法をすると、全然色みが違ってくるんです。

陶土にもこだわって、こうやって手間と時間をかけて焼きしめると、丈夫になるし、独特の味わいが出てくるんですね。」(市川さん)

市川さんは、陶芸をやっている方に、「どうしてこんな色が出るの?」と聞かれることがあるそうです。

「その時には、土や焼成方法を色々教えたりするんですけど、割れるのをふせぐために細心の注意を払いながら、微妙な色を追求するのは、難しいことですね。でも、計算通りに焼けると、ホント楽しいもんですよ。」(市川さん)

丈夫で、使うほどに増す、味わいと光沢

お話を伺うと、そのように手間をかけるため、かちかち山香炉のタヌキが出来上がるまでには、1ヶ月以上かかります。
しかし、そのようにして出来上がった作品は、とても丈夫なので屋外に飾ったりされることも多いそうです。また、使うほどに味わいと光沢を増すのも、四日市萬古焼の楽しみのひとつで、「手の油を頂いて、重厚感が増すというか、いい色になっていきますよ。」(市川さん)とのこと。
使うのが楽しみになりますね!

実用的なだけでなく、昔話などをモチーフにした萬古焼


「ほっとする心の陶を作り続けたい」という市川さんは、昔話などで誰もが親しんだキャラクターをモチーフに、懐かしさや、暖かみを感じさせるの四日市萬古焼を作り続けています。そんな市川さんの作品は、孫にプレゼントされたり、幼稚園に飾られたりすることも多いそうです。

「お客様からのご提案で、小さなものから大きなものまで、バリエーションどんどん増えたんですね。これからも、お客様の生の声を頂いて、どんどん挑戦していきたいと思います。」(市川さん)

アフターサービス

また、市川さんは、アフターサービスもやってらっしゃいます。
「お使い頂いている間に、もしも割れてしまった場合、直るものであれば直しますので、捨てないで相談して下さい。」(市川さん)
※送料はお客様のご負担になります。

四日市萬古焼とは?


四日市萬古焼は、江戸時代中期に、茶の湯や陶芸に通じた沼波弄山という商人が現在の三重県朝日町で採れる良質の土を用いて窯を開いたのが始まりと言われています。

沼波弄山は、自分の作品が永遠に伝わるように願いを込め、「萬古不易(ばんこふえき)」という印を押しました。それが萬古焼の名前の由来です。

現在は工芸品として高く評価され、昭和54年に伝統的工芸品の指定を受けています。


生産者の横顔

三代にわたる伝統を受け継ぐ

市川さんは、おじいさんの代から三代にわたる四日市萬古焼の伝統を受け継いでいます。
寿山というお名前も、おじいさんの代から引き継いでいるものです。

「子供の頃から、日常的に粘土があったから、犬や猫、カンガルーとか、たくさん萬古焼を作っていましたね。」

市川さんの作品中では、今も様々な人々や動物たちが活き活きと躍動しています。

大学や、病院、公園の陶壁も製作

また、大学や、病院などで大きな陶壁も作っていらっしゃいます。

「今までに作ったもので一番大きかった陶壁は、縦7m、横3mの陶壁です。そういうのが出来上がった時は、本当に嬉しいですね。」(市川さん)

○通産大臣認定 伝統工芸士
○四日市市 優秀技能者表彰
○埼玉大学 経済学部 新講義棟 “望”陶壁製作
○四日市市社会保険病院 介護老人施設“獅子舞”陶壁製作
○四日市市 近鉄駅前コミュニティ広場 “四日市”三枚組 陶壁製作
○日本都市センター会館内 全国都市センター 梅林公園 アートタイトルデザイン製作
○三重北勢地域地場産業振興センターにて 皇太子殿下・妃殿下御前で陶彫実演
○(株)東海テクノ四日市市分析センター内 “環・共に生きる”陶壁製作

「試行錯誤するのは楽しいですよ!」

製作の中で大変なことは?と伺うと、
「大変なことは、粘土の厚みを均一にしないと剥離爆発を起こすことですね。爆発すると、釜の中が大変なことになるんですよ。
作品の表面に穴を開けて、厚みを一定にしながら、埋め戻す作業をして、丁寧にして仕上げないといけない。三個同じものを作って、一個だけが爆発せずに、うまくいくという場合もありますよ。」(市川さん)

なんだか気の遠くなるようなお話ですが、市川さんは「あれこれ考えて、試行錯誤するのは楽しいですよ!」と笑っておっしゃいます。

「市川さんの作品を見ると元気が出る」と言われることもあるそうですが、そのような懐かしくて暖かみのある、芯の強い作風は、市川さんご自身の人柄からにじみ出ていることが、実感できたような気がしました。


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