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文献によると、1834年(天保5年)江戸大伝馬町のびいどろ屋、加賀屋久兵衛が金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻する事を工夫したのが今日に
伝わる『江戸切子』の始まりと記されています。
明治時代に入ってヨーロッパのカットグラス技法が導入され、現代に伝わる伝統的ガラス工芸技法『江戸切子』となりました。
宝石のようにきらめく黒川さんの江戸切子の秘密は、カットをギリギリまで深く削ることです。
深く削る分だけ、技術的に大変なのですが、面と面が反射して、きらめきが増します。
「グラスによっては、口元の厚みが1ミリくらいしかないから、一つ間違えれば割れるし、大変だよ。
でも、その分、飲み物を注いだ時の映りは格別。これは是非、楽しんでほしいね。(黒川さん)」
しかも、不思議なことに、深く削ってあるのにも関わらず、手にしっくり馴染みます。
それは、仕上げの工程で、手にした時に心地いいように、丹念に木車で磨きあげているからです。
きらめきと、映りの美しさだけでなく、感触も楽しめる、使う喜びにあふれたグラスです!
黒川さんの江戸切子には、何百もの線から生まれる伝統的な文様のカットが精巧に散りばめられています。
そして、その線は、全て下書きなしのフリーハンド!という驚くべき匠の技で削られています。
そのような従来の直線的なカットも、かなりの熟練を必要とするのに加えて、さらに、
それをダイナミックな曲線にするには、高度な技が要求されます。
しかし、黒川昭男さんは、熟練の技を駆使し、曲線や文様がぶつかりあうような、ダイナミックな江戸切子を
作り出しています。
「ちょっと変わったものを作りたくてね。見たことのない江戸切子だとよく言われるよ。
差し込む光や、角度の変化で、毎日さまざまな表情を楽しめるようにっていうのが、常に頭にあって、
デザインを工夫してる。」(黒川昭男さん)
黒川さんの江戸切子は、1点1点、デザインが異なるため、それぞれの作品が、「世界に一つだけ」の作品です。
「お客さんに『自分だけの江戸切子』を楽しんでほしいね。
街で同じ服の人と会うのがいやなのと同じだよ。世界に一つだけのものだったら、お客さんも喜ぶし、大事にしてくれるからね。
誰かにプレゼントするにしたって、世界で一つのものだったら喜ばれるだろ」(黒川さん)